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男性がヨガクラスに参加したくなるには。

ヨガマーケティングをしている方が飛びつきそうな話題ですが


データを解析した科学論文のご紹介です。


ヨガと言えば、スラッとした健康的な女性が


動きやすく快適なウエアを着て


ポーズを取ったり、瞑想したりするイメージがメジャーかと思います。


宗教上の理由でヒジャブを纏っていても


下半身はピチッとヨガパンツを履いていたり。


ヨガはもともと男性が行っていて、女性にとってはあまりメジャーではなかったようです。


でも現代はほとんど女性が行っている。


これは、動機に性差があるのではと、フィリピンとオーストラリアの共同研究論文がありました。


2021年に発表されたのは、オーストラリアの18-60歳の男性21人に、なぜヨガに参加しにくいのかインタビューしたもの。



参加しにくい理由として


①他の運動に方が好き

②ヨガは女性的だからなどジェンダー的理由

③競争的ではないから(つまらない)


ではどうしたら参加したくなるかを聞くと


①男性がヨガクラスに行きやすい空気

②ヨガの簡単な説明がほしい

③男性のみのクラスの提供


という結果に。


「ヨガを伝統的なスポーツやエクササイズに興味を持たない男性に普及させるには、

これらの障壁を考慮する必要があります。」


と結論づけています。


この後に、この研究者たちはさらに深掘りし、

データ解析を行なった研究論文を2022年に発表しています。


ヨガをする動機 男女差



以下一部抜粋

(翻訳機使用)


男性参加者は、補助的な活動として、また競争や社会的認知のためにヨガを始めることを支持する傾向がありましたが、対処やストレス管理、ポジティブな感情、心身の統合、健康やフィットネスを挙げる傾向は少なかったのです。

この研究結果は、すべての男性ヨガ参加者が、単に健康やフィットネスのためにヨガに興味を持っているわけではない、という理解を深めるものです。男性のヨガ参加者の中には、ヨガを単なる身体的な運動以上のものと考え、その精神的・霊的な教えに興味を持っている人もいる。これは、男性にヨガを広める際に考慮すべき重要な点です。」


つまり、身体機能向上を目指してエクササイズ的にヨガをしている人は


ヨガのスピリチュアリティな部分を重視していない、ということ。


これは女性に関しても同じことが言えますが、


男女差として


「男性は競争や社会的認知の理由からヨガを行う傾向があり、心身の統合、健康、フィットネス、ポジティブな感情、身軽さ、ストレス管理に関する動機を挙げる傾向が少ないことが示された。怪我の回復を含む主なスポーツなどの活動を補うためにヨガをすることは、男性にとって顕著な動機であった。」


と述べています。


一方で、男女ともに同じであったのが


「不健康回避と体重管理、外見上をよくする、などの動機に性差がなかったことは注目に値する。

先行研究では、これらのタイプの動機は一般に女性で高いことがわかっており、ヨガの性質が女性だけでなく、ヨガにそのような身体的利益を求める男性をも惹きつけていることを示唆しているのかもしれない。」


とも書かれています。


これを逆手に取ると


「身体活動を実践する男性の動機は、ヨガの非競争的かつ非パフォーマンスの原則と矛盾するように思われるが、ヨガは依然として身体活動の領域に属し、他者とヨガ自分の能力を比較したり、身体的強度を示すといった伝統的な男性的理想を示す機会を男性に提供している 。したがって、スポーツや運動を補うためのヨガの可能性を強調することは、男性によりよくアピールすることができる可能性がある。」


という冷静な考察も。


また、精神性にも触れています。


「ヨガに参加する動機として精神性を挙げる男性は女性よりも少ないことを示唆する先行研究とは対照的に、我々の結果はこの動機における有意な性差を示さなかった。精神性の重要さの性差は、男女間というよりも、ヨガ参加者のサブグループ間で見出された。スピリチュアリティは、アーサナや座法をとる男女ヨギー両方にとって重要な動機であり、単にエクササイズとしてヨガをする人々にとっては男女とも最も重要でない動機であった。」


では、男性がヨガクラスに参加するためにはどのようにしたら良いのか。


スポーツのための補助的なトレーニングプログラムとしてのヨガの可能性を強調し、身体運動や物理療法の代替手段を求めている男性にヨガを勧めることが有効。また、ヨガの精神的・心身的側面を強調することは、身体的運動やパフォーマンスを超えた利点に興味を持つ男性を取り込むのにも有効かもしれない。」



参加者や具体的な数字をご覧になりたい方は、論文をクリックしていただくとみられます。


また、参加者の職業や男女比、ヨガの経験年数、ヨガの種類なども載っています。


アーサナを男性にどうアプローチするのか。


呼吸法とmeditationに比重を置くのか。


数値化してみると、現場で起こっていることがとても腑に落ちますね。






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